夏真っ盛りですね。
夏はやっぱり楽しい気分になりますね!
前回、AAEというアメリカの歯内療法の学会でのお話をさせていただきましたが、今回はペンシルペニア大学でのお話です。
この写真は、ペンシルベニア大学の歯内療法科の診療室です。見えているのは2列しかないですが、実際はこの倍の4列あります。
全てのユニットにマイクロスコープが設置されています。
全米の中でも、これだけマイクロスコープを1つの診療科で有しているのは、あまりないぞ。
と、ペンシルベニア大学の先生方は誇らしげでした。
いまや、根管治療を確実に行ううえでは、やはりマイクロスコープは必要不可欠な器材であるといえます。
ただ、マイクロスコープで見るだけでは、歯は治りませんから、マイクロスコープをいかに操って治療に取り入れられるかということが、とても大事になります。
これは、トレーニング以外ありません。
アメリカでは、歯内療法専門医はとても人気があります。とくに、女性の先生方は、矯正専門医か歯内療法専門医になりたがります。
理由は、インプラント治療のような力と度胸があまり必要ない事、パートタイムで仕事が可能なこと、妊娠していてもマイクロスコープ下であれば、お腹がひっかからず治療が可能な事、とても小さな器具を使うので指の細い女子に有利。などです。
つまり女性歯科医師のディスアドバンテージがあまりないのが特徴です。
ですので、歯内療法専門医の倍率は、とてつもないです。とくに、ペンシルベニア大学のような名門校ですと、全米の歯科大学の本当に優秀な方しか入れないそうです。
日本でも、だんだんと歯内療法専門医になりたいという先生が増えてきました。けれど、アメリカのような、人気とはほど遠いのが現実です。
日本で人気がない理由は、難易度の高く、神経を使う治療であるにも関わらず、診療報酬があまりにも低いことがあげられます。
日本の国民健康保険では、根管治療を真面目にやればやるだけ、医院の赤字につながります。
患者さんのために一生懸命やっても、医院は赤字になるばかり‥‥
と、負の連鎖が起こります。
国民健康保険内での治療を行うとなると、時間的、器具的など、さまざまな制約がでてます。
当然治療の精度も落ちていきます。
日本では、あまりなじみのない分野ですが、抜歯にいたる原因の多くは、根管治療を行った歯でのトラブルです。
被せものなど、見えるところだけではなく、それを支える地味な治療ですが、自分の歯を一生使うためには、とても大事な治療です。
少し長くなりましたが、みなさんが一生おいしく食事ができて、最高なスマイルができるように、精進していきます。