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友人医師との会話で気付いたこと

季節もやっと秋らしくなり、肌寒くなってきましたね。

ところで。。。

先日、医師の友人と食事をしているときに気付いたことがありました。

友人
「知り合いが3カ月に1回、歯医者に行って、クリーニングしてるらしいんだけど、本当にそんなに必要なの? なんか、医者の俺からすると、商売的なかんじするんだけど。」

と言いながら、わたしの友人はタバコ吸い、ビールをゴクゴク飲んでいました。
ちなみに、その友人は循環器で働いていて、その日も当直明けでした。

わたしは、以前、勤務していた大学病院で、その友人の親知らずを抜歯したことがあったので、彼の口腔内は昔チェックしたことがありました。

それはそれは、プラークと歯石にまみれた口腔内でした。
この状態で、抜歯したら、間違いなく感染するだろうな。と思い、1時間かけて、汗を流しながら、スケーリングをして、後日抜歯をしました。

その時も友人は、「え〜!今日、抜歯してよ。口の中汚れてても大丈夫だよ! もし、感染したら、点滴で抗生剤入ればいいから〜。 忙しから頼むよ〜!」


「心臓の手術するとき、体をきれいにして、無菌室の手術室で、完全滅菌の状態でオペするんでしょ?」

友人
「あたりまえだろ。感染するだろ!一度感染したら、いくら抗生剤投与したって、なかなか治らないんだよ。」


「じゃあ、その言葉、そっくりそのまま、あなたに返すわ!今日、この状態で抜歯するのは、泥を落とさないで、心臓の手術するのと同じでしょ。」

友人
「たしかに。。。ごめんよ」 と言って、納得してくれました。


まず、わたしが思うのは、
医師も歯科医師も、感染のリスクを最大限に抑える努力をする必要があるという事です。
全力で、予防を行っても感染するときは感染してしまいますが、めんどくさいという理由や、時間がない、などの理由で、感染予防ができない状態下での、手術や処置は、術後感染してくださいと、言っているようなものです。


そして、予防もせず、その後、感染したら、抗生剤飲めばいいだろう、という思考は、医療費の無駄遣いと、薬剤耐性のリスクをあげることに他ならないわけです。
なぜなら、きちんと予防していれば、必要ない治療かもしれないからです。


それから、月日がたち、久しぶりにそんな会話になったのです。

友人
「3カ月に1度って、みんな本当に行くの?」


「ちなみに、どれくらい歯医者でクリーニングしてないの?」

友人
「抜歯してもらって以来、行ってない。大丈夫だよ。電動ブラシ使ってるし、虫歯になったことないし」


「6年間たってるよ。」

友人
「うん。え、まずいかな。」


この時にわたしが、まず考えたことは、
?虫歯になったことがない =  歯周病のリスクが高い可能性がある
?循環器の医師 = 勤務が激務 = 免疫力低下
?当直、呼び出しが多い = ブラッシングをする時間がないときもある
?電動ブラシを使っているから安心 ≠ ブラシが歯にあたっているとは限らない
?6年前に見た口腔内の状態 = プラークコントロールが悪い
?タバコを吸う = 末梢血管の虚血 = 治癒不良
                  = 状態悪くても出血しない=自覚症状でない
?ビール = 炭酸 = PH低下 = 歯質の脱灰 = 歯がとける
?飲酒 = 酔って寝る = 歯ブラシしない

などなど、友人の生活リズムを考えると、最低でも6カ月に一回のメインテナンスが必要だとわたしは、思いました。



「それは生活習慣病の患者さんが、6年間、暴飲暴食と、運動不足な状態で、6年間、検査しないのとおなじだよ。」

友人
「それは、医者からすると、リスキーだな。明日、予約します。。。」


メインテナンスの間隔は、患者さんによって、人それぞれで、3カ月や6カ月など、まちまちですが、衛生士は、それぞれの患者さんの歯周病のリスク、唾液検査の結果、プラークコントロールの状態、飲食の嗜好、生活リズムなど、 さまざまなことを考えて、期間を決定します。


口の中も、体の臓器の一つであり、そこには、血管も神経もあり、細菌も増殖します。
そして、その細菌は、子供やパートナー、家族などにも感染します。
そして、増殖した細菌は、唾液を飲むだけでも胃の中に入るし、食事中にむせれば肺の中に入るし、歯ぐきから出血すれば、そこから細菌は血液の中の入りこみます。


歯と医で分かれていても、一つの体です。
歯科医師も、医師も、双方ともに、境界線を口と、それ以外で分けて考えがちですが、共通した意識をもつことが大事だと思いました。
そして、もちろん、わたしたち歯科医師も、医科の知識をもつことは非常に重要であると、再認識しました。


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2012年10月03日 15:47に投稿されたエントリーのページです。

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